Secure Global Desktop 4.31 管理者ガイド
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管理者 は、アプリケーションサーバーの負荷分散プロパティーを編集することによって、アプリケーションサーバーの負荷分散を調整できます。これらのプロパティーは、次の動作を制御しています。
ここでは、負荷分散の調整機能について説明します。Secure Global Desktop の負荷分散の仕組みに関する知識を前提としています。
weighting
プロパティーを使用すると、アプリケーションサーバーの相対的な処理能力を考慮して、アプリケーションの起動場所を Secure Global Desktop で決定できます。詳細については、「負荷分散の設定」を参照してください。
アレイのプライマリ Secure Global Desktop サーバーは、3579/tcp ポートを使用してアプリケーションサーバーの負荷分散サービスと対話します。この動作は、listeningport
プロパティーによって制御されます。
負荷分散サービスは、3579/udp ポートを使用して、更新をプライマリ Secure Global Desktop サーバーに送信します。この動作は、probe.listeningport
プロパティーによって制御されます。
これらのポートは登録済みのポートです。これらのプロパティーの変更は、Secure Global Desktop サポートから依頼された場合にのみ行なってください。プライマリ Secure Global Desktop サーバーとアプリケーションサーバーの間にファイアウォールがある場合は、これらのポートを開く必要があります。
connectretries
プロパティーは、負荷の更新を要求するために、プライマリ Secure Global Desktop サーバーからアプリケーションへの接続を試みる回数です。
試行の間隔は、shorttimeout
プロパティーによって制御されます。これらの接続に失敗すると、Secure Global Desktop サーバーは、longtimeout
プロパティーに指定されている期間が経過してからもう一度接続を試みます。
たとえば、これらのプロパティーのデフォルトを使用した場合、Secure Global Desktop サーバーは、アプリケーションサーバーへの接続を 20 秒間隔 (shorttimeout
) で 5 回 (connectretries
) 試みます。5 回とも失敗した場合には、600 秒 (longtimeout
) 経過してから、20 秒間隔でさらに 5 回の接続を試みます。
アプリケーションサーバーの再起動に時間がかかる場合などには、タイムアウトのプロパティーを変更してみてください。
scaninterval
プロパティーは、Secure Global Desktop サーバーの負荷分散対象アプリケーションサーバーリストを走査する間隔を制御しています。走査では、負荷の更新を要求するために通信 (connectretries
) する必要があるアプリケーションサーバーが確認されます。
sockettimeout
プロパティーは、Secure Global Desktop サーバーが負荷分散サービスへの接続を試みても収集できるデータがなかった場合の、エラーが返されるまでの時間を制御しています。
probe.samplerate
プロパティーと probe.windowsize
プロパティーは、負荷分散サービスがアプリケーションサーバーの平均負荷を計算する頻度を制御しています。
たとえば、probe.samplerate
を 10 秒、probe.windowsize
を 5 に設定するとします。50 秒 (5 x 10) が経過すると、平均値の計算に必要な測定が 5 回実行されています。さらに 10 秒が経過すると、負荷分散サービスは次の測定を実行し、一番古い測定を破棄して新しい平均負荷を計算します。
計算の頻度は、アプリケーションサーバーの負荷が変化する頻度の予測に基づいて増減できます。たとえば、1 日の始めにアプリケーションを起動したらその日が終わるまで閉じないユーザーもいれば、アプリケーションの起動と停止を繰り返し行うユーザーもいます。
replyfrequency
プロパティーは、負荷分散サービスがプライマリ Secure Global Desktop サーバーに更新を送信する間隔を制御しています。
percentagechange
プロパティーは、使用される CPU/メモリーの増減率のしきい値を制御しています。使用率がこのしきい値以上に増減したら、プライマリ Secure Global Desktop サーバーに報告されるものとします。負荷分散サービスは、使用率が変化するとすぐに、更新を送信します。たとえば、アプリケーションサーバーが 30% の CPU 負荷で動作し、percentchange
の値が 10 の場合は、負荷が 20% または 40% になると更新が発生します。負荷分散サービスは、使用率が突然大きく変化する状況にも対応していて、このような場合にも調整を行ないます。たとえば、percentagechange
の値が 20% であるのに、サーバーの CPU 負荷が 81% に達した場合にも対応することができます。
replyfrequency
の更新は、負荷が変化していない場合や、percentagechange
の更新が発生した場合にも送信されます。percentagechange
計算の基になる値は、replyfrequency
の更新が送信されるたびに再設定されます。
updatelimit
x replyfrequency
秒の間にアプリケーションサーバーから更新が送信されない場合、Secure Global Desktop はアプリケーションサーバーとの接続が切断されていると見なします。つまり、そのアプリケーションサーバーは、Secure Global Desktop サーバーとの接続を再度確立できる状態になるまでは、アプリケーションを起動できないサーバーと見なされます。
Secure Global Desktop は、maxmissedsamples
x replyfrequency
秒の間にアプリケーションサーバーから更新が送信されない場合、その CPU/メモリーデータの信頼性が低いと見なします。
注 負荷分散サービスは、負荷が変化していない場合でも更新を送信します。
信頼性の低いデータは、アプリケーションをどのサーバーで起動するかを決定するときに無視されます。つまり、そのアプリケーションサーバーはキューの最後に移動し、アプリケーションを起動するために他のサーバーが利用できないか適切でない場合にだけ使用されます。
プライマリ Secure Global Desktop サーバーは、maxmissedsamples
x replyfrequency
/2 秒ごとに、アレイの他のメンバーに CPU/メモリー負荷の更新を送信します。この更新は、負荷が変化していない場合にも実行されます。
1 度でも更新を受け取らなかったセカンダリ Secure Global Desktop サーバーは、保有している負荷データの信頼性を低いと見なし、「Fewest application sessions」負荷分散方式に戻ります。このサーバーでは、新しい更新を受け取るまでこの方式が使用されます。
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